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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第097号       ’01−06−29★

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     変革リーダー

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●<変>人とは<変革>する人

 

、、は小泉首相。 あの内閣支持率の高さは、何か変えてくれそうだと

いう期待から、でしょう。  みんな<閉塞感>に嫌気がさし、何とか

してくれえ!  人頼みじゃいけない、、けれども願わずにいられない。

世直しレベルの変革、庶民の手には余ります。

 

 

じゃ、個人レベルなら?  たとえば、問題解決と言うには身の上相談

同然、「いま悩んでいる。 どうしたら良いか?」のようなのに対する

「おたすけマン」の答えは、「やり方を変えましょう。」

 

何故なら、「悩んでいる」状況に陥ったのも、その人が求めて得た結果。

そうしていたからそうなった。 そうしないことにすれば、、ならない。

 

<そうしない>は<何もしない>ではない。 今までとは違ったやり方

にする、ということ。  だから、「やり方を変えましょう。」

 

どこをどう、はケース・バイ・ケース、千差万別。  技法的に言えば

<手段>の選び替え。 だが<MUST、WANT>から見直す方が良いことも

多い。  で吟味し、提案するが、滅多には譲らない、受け付けない。

 

そんな思い込みの人は、即ち変わり得ない人。 助けようがありません。

「おたすけマン」にはそう重要と見えない項目が、その人にはコダワリ

の最大部分であったりする。  それがその人の選択、、

 

*   *

 

というわけで、変革は一個人においてすら容易でない。 大きな利害が

絡む国レベルではなおのこと。 小泉首相断固推進の構造改革、前途に

かなりの痛みが待ち構えているそうで、いま声援している人たちがその

時バッシングに転向しないものか、懸念されます。

 

努力や忍耐を要しない変革などあり得ませんからね。 たまたま、その

覚悟を固める上で参考になるTV番組がありましたよ、、

 

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●NHKスペシャル「直接対話が

 

巨大商社を変える」。 伊藤忠商事、丹羽社長奮闘のドキュメンタリー。

就任以来3年、社内改革や不良資産整理を断行。 それまでの赤字から

ハンパでない黒字に転換させた陰で何を、、 の話。

 

一つが全員へのe−メール。 映し出された文面に、<変革>や<変え

よう>がひしめく。 しかし、こんなのを毎日(ではあるまいが)読ま

される社員諸氏、ツカレルだろうな。

 

<件名>の掲げ方には改善余地あり。 「〜について」の頻発。 何を

<する>のかが不明です。 「〜を訪問しよう」や「〜を持とう」など

はマシ、だがイマイチ。

 

ほかに、「〜への期待」とか「商いの原点」、「厳しい経済環境の中で」

など、随筆のような件名もありました。  で、何を<する>のかな?

 

<件名>はいわば課題、課題は行動の旗印。 それらしく掲げましょう。

 

 

こんなメッセージもありました。

 

 「同じ生活をしていては、何も変わりません。 2年後も同じ姿です。

 会社も変わらないし、あなたも変わらない。 組織や制度をいじって

 も変わらない。 一人一人が変わらねば、会社は変わらないのです。」

 

ただ「変われ!」で変わるかなあ?  また、給料カット実施後には、

 

 「、、改革の実行の中で、会社として痛みはある、、 社長としては

 もちろん率先して痛みをとる覚悟ですが、皆さんにも1〜2年先への

 希望を持って、しばらくは我慢して、、」

 

気持ちは分からなくないが、いかにも抽象的。 <社長の愚痴>ですな。

 

*   *

 

その親にしてこの子、社員からのも抽象的です。  

 

 「、、人員削減で、個人の仕事量は増えているのに、給料はどんどん

 減って、、 苦しいです。 助けて下さい。」

 

すがるばかりで良いのかね?  対する社長のリプライは、

 

 「、、最後まで希望を失わず、全力投球して下さい。 苦しい時ほど

 人間は育つもの、、大きく育つ絶好のchanceと前向きに捉えて下さい。

 必ずそのreturnはあります。 期待しています。」

 

ほーら<精神論>だ。 <直接対話>の満足、に終わりますね、これは。

以前と比べれば<変わった>、のでしょうが、<変革>にはほど遠い。

 

*   *   *

 

さらに丹羽社長、<休日対話集会>も主宰なさる。 9時から5時まで

のフルタイム。 この1年で3500人と直接に触れ合った、というが

一見<団交>風の緊張感。

 

 「社長は<清く、正しく、美しく>と言われるが、幹部の指示や会社

 の哲学は<なりふり構わず儲けろ>。 ギャップが大きい、、」

 

と述べた社員に対しては、キビシイ表情で

 

 「<なりふり、、>の時代は過ぎた。 断固禁止します。 そういう

 質問が今頃出るということを、私は大変残念に思っています。」

 

何故「今頃出る」か、が問題では?  3年間メールを発信し続けても、

ですからな。  あなたの建前が現場の本音に反映されていない現実、

お分かり下さいませんか、社長。

 

*   *   *   *

 

Attractive で Powerful な分野に重点投資する<A&P戦略>のため、

往年の花形、建設、不動産、機械、金属、化学は今や<撤退部門>。

 

そんな部門の<休日対話集会>は、当然、嘆き節メドレー。

 「やりたいことが分からない」、「納得が行かない」、「新しい

 ビジネス・チャンスが見付からない」、エトセトラエトセトラ。

 

聴き終わった社長、「自分たちのアイデアが枯渇しているくせに、すぐ

他人のせいにする。 会社にカネが無い、上がバカだ、、  そうじゃ

ない。 あなた方に問題がある!」と憤然。 この人たちともこれまで、

メール交信なさったんでしょ?  なら、何で今更?  不思議ですね。

 

問題部門こそ重点的に指導なさったろう、と思ったのは早計。 続いた

社長の言葉にガックリ。  「やはり仕事をやる以上は、ワクワク、

 

ドキドキするような仕事。  緊張感があって、胸が躍るような仕事を

しなくちゃ。 上から「やれ」でなく、皆さんからこういうことやろう

よ、と。  儲かるなら、カネ、なんぼでも出しますよ。」

 

じゃ、今までの顧客を放り出し、みんなでITショーバイへ走り込んで

良いのかな?  お許しにならない?  だから困ってるというのに、、

 

そして次に映されたメール画面。 件名「行動の時きたる」。 いわく、

 「新しいビジネスのタネを発見することが必要です。 座って考えて

 いるだけでは、情報にもアイデアにも限界があります。  まず動き

 出してほしい。  今こそ行動に出るときです、、」

 

<全社員あて>でしたね。 ということは、みんな<座って考えている

だけ>というご認識? まさか!  社長メールが大して効果を挙げて

いないとしたら、こういう<失礼>のせいかも。

 

相手次第で語り口を変えるくらいのきめ細かさ、必要でしょう。

 

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●社長メールや対話集会、

 

その熱意と実行力は評価しますが、何でご自身、そこまでなさいます?

<適切に伝達できる人材>がいないんじゃありませんか?

 

あの大組織、各分野に中核的人材がいないわけが無い。 もちろんいる、

けれども<変革>の担い手としては役に立たない、、 ですか、社長?

 

 

その辺を解き明かしてくれるのが、ジョン・R・カッツェンバック著、

<リアル・チェンジ・リーダー>。  講談社 '98年 2300円

 

その p.316 、「旧来型の管理職」のあらまし:

 

 旧来型の管理職は、組織におけるリーダーシップの基盤。 彼らが

 していたのは、過去の経営者がやってきたことのすべて。 即ち、

 企業組織を機能別の部門に分散化し、一貫した遂行能力を発揮して、

 健全な戦略を追求する、、 が、彼らのそうしたスキルと考え方は、

 <変革>のパターンには合致しない。  また、

 

 経営手法が変化し、責任の所在が現場に移り、管理職は<不必要な

 間接費>になってしまった。 旧来のリーダーシップでは働く人々

 の潜在力が引き出せず、市場変化の速さにも適応できない。 

 

 彼らが管理運営する限り、コストや人員の削減のような<旧来型の

 成果>はあり得るが、生産性やスキルの向上、社員の意識変革など

 は達成できない。  彼らは環境変化に合ったツールに入れ替える

 ことが出来ず、思考態度も変化に抵抗するので、旧来のパターンを

 脱し得ない、、

 

 もちろん、<命令と管理>方式が有効な場面も依然としてあるので、

 旧来型管理職が消滅することは無い。  何をすべきかが明確なら、

 彼らは間違いなくそれをこなす。  問題は、彼らの変革能力、、

 

*   *

 

<旧来型>の問題点の一つは、垂直方向の流れでの情報処理や意思決定

に馴染んだあまり、<水平方向>をよくなし得ないこと。 ( p.308 )

変革の時代、「通常は接触することのない大勢の人間と、力を合わせて

働くことが要求される」( p.312 )ので、これは致命的です。 

 

この本は、企業が迫られている<変革>を「ほとんどの従業員が新たな

行動様式とスキルを身に着けなければならないような状況」と定義して

いる。(p.12)   そして、そこに現われて変革推進の核となり、

 

タフでバランス良くビジネスを遂行し、新鮮なセンスで従業者をリード

している新種の中堅管理職や専門職を<リアル・チェンジ・リーダー、

略してRCL>と呼び、その実例を紹介しております。

 

彼らに共通するのは、

  1)よりすぐれたやり方に対するこだわり

  2)既成の権威や規範に異を唱える勇気

  3)定められた境界線を率先して突破する自発性

  4)自分自身と周囲の人間の動機づけ

  5)周囲の人間に対する配慮

  6)目立たないこと

  7)すぐれたユーモア感覚         ( p.22〜24 )

 

これらはいわば人間性そのもの。 我が<お行儀社会>では、それらを

具えた人がいても、自由に発揮させてはもらえない。 現に<不用心な

B型>の私、第2の人生では狭量な雇い主に嫌われ、難儀いたしました。

 

そして「RCLが信奉しているものは、次の三つ」。( p.26〜27 )

  a)高い業績水準: 数字だけでなく顧客からの評価なども含む。

  b)全員の創造力を引き出す民主的な基本原理: ただし権限を

            ゆだねた部下の仕事ぶりは厳しく査定する。

  c)自治の精神: 基本はオープンな対話、多様な視点から最善

              の方法を得て対立を解消する相互作用。   

 

いよいよ Rational Process の出番です。 a)はDA、 b)もDA、

プラスPPA、必要ならPAも。 そしてc)はまずSA、そのほかの

どれを用いても良いでしょう。  面白いのは、( p.28 )

 

「RCLは事実を追い求めるが、、、不必要に分析しすぎることは無い。

、、決定や判断を下すことを恐れない。、、上司や部下と無駄な衝突を

することはない。 、、辞めても生き残って行ける十分なスキルを持ち

合わせている、、」  Rational Process で行こう! の感じです。

 

変革の達成は経営陣だけでは出来ない、RCLが必要。 だがRCLは

圧倒的に不足。 で、この本が、苦闘している経営陣にもRCL候補者

にも参考になるだろう、、 という主張ですが、それは

 

*   *   *

 

そのまま丹羽社長にも当てはまる。  厳しい努力が正しかったことは

黒字転換が証明していますが、それにしては画面からハッピーな雰囲気

が伝わって来ない。 御大は苛立ち、社員はややバラバラ。  これは、

 

<アクティビティ・トラップ>即ち、業績向上に貢献しない活動に力を

注ぐ誤りに陥っているからかも。 

 

 「経営陣が高い理想を掲げ、それによって従業員たちが鼓舞され、

 爆発的な活動を繰り広げる。、、こういった活動は好ましいものに

 思われがちだが、業績を改善するための重要な機動力として焦点を

 絞り込まれることはまれだ。 そのために、組織全体が<アクティ

 ビティ・トラップ>にはまってしまうのである。」 ( p.61 )

 

そうならないためのA&P戦略、だったのでしょうが、肝心のところに

不足があったのではないだろうか。  変革に成功した例では、

 「経営陣の掲げる高い理想を、管理しやすい(また、理解しやすい)

 いくつかの項目に噛み砕き、現場の最前線にいる人間に、、」(p.62)

RCLが伝えていたからだ、という。  そんな部分の不足。

 

ブレーク・ダウンと伝達、これも Rational Process 、SAとDAで。

丹羽社長、どう見ても<直接対話>にゃ限界ありますぜ。  RCLを

育てましょうよ、 Rational Process で。 その方が楽、かつ効果的。

 

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当然、今回のCM:< Rational Process は変革リーダーのツール!>

 

                          ■竹島元一■

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